PM2.5・黄砂対策100選

PM2.5を浴びた食品
食べると何か問題が…?

PM2.5が付いた食品を食べた場合

 19: PM2.5を普段気付かず食べている

体内に取り込んだPMがさまざまな疾患を引き起こすことについて、前項までに詳しく述べました。
それらは皮膚に付着する場合を除けば、全て呼吸によって鼻や口から取り込まれた場合のモノです。
では、同じ経口摂取であっても気管や肺ではなく、胃や腸を経由しての摂取の場合は、身体に影響はないのでしょうか。

PM2.5はもちろん水に溶け込んだり、食品に付着したりしますので、わたしたちは普段の食事で知らず知らずのうちにPM2.5を摂取していることになります。

野菜

 20: 硫酸塩などの無機塩が含まれるPMの場合

PM2.5にはさまざまな成分が含まれていますが、代表的なモノと言えば硫酸塩や硝酸塩に代表される無機塩。無機塩とは炭素を除く非金属元素を成分とする酸の水素原子を金属で置換した無機化合物のことですが、要はミネラルです。

ミネラルと表現するとなんだか身体に良いように思えますね。
PM2.5が身体に良いということはありませんが、実は食べても極端に悪いと言う話でもないのです。

硫酸塩や硝酸塩という文字にピンと来た人は、食品の成分表示ラベルを普段からよく見ている人です。ハムやベーコンには食品添加物として大抵入っているものですね。無添加と明示していないワインにも、酸化防止剤として亜硫酸塩が入っています。
しかもその量は空気中に漂うPMが食べ物に付着する量に比べると、段違いに多い量なのです。

ワイン

食品添加物が身体に良いとは言いません。
しかし、法律で健康被害が出ない上限を定めて安全数値内で添加している添加物を適量摂取することに関して健康被害を過剰に心配するのはナンセンスですし、それより更に更に少ない量のPMの摂取を心配するのはもっとナンセンスと言えましょう。

 21: 炭素成分が含まれるPMの場合

PM2.5の主な成分のうち無機塩以外で多いものが炭素成分です。炭素成分は、元素状炭素(エレメンタルカーボンまたはブラックカーボン)と有機態炭素(オーガニックカーボン)の2種に大別します。

元素系炭素はいわばすすのことで、食べものの焦げがそれに近いものです。
有機態炭素はシュウ酸やコハク酸などの有機酸で、これもまた食品にもともと含まれているものです。例えばシュウ酸は玉露や紅茶、ホウレンソウ、タケノコ、チョコレートに含まれていますし、コハク酸も貝類に多く含まれ、清酒や味噌などにも添加されています。

どちらにせよこれもまた無機塩が含まれるPMの摂取と同様に、何ら問題ないレベル。
焦げは身体に悪いし、シュウ酸の摂り過ぎは結石になるではないかとお思いの人もいるでしょうが、食品そのものによるそれらの物質の摂取量よりも、食品に付着したPMの摂取量のほうが遥かに遥かに少ないのです。

焦げた餃子

 22: 食品に付着しているPM2.5を過剰に心配しないでよいもうひとつの理由

わたしたちはPM2.5と同じ成分を含んでいる食品を恒常的に食べており、新たに付着したPMの量はそれよりも遥かに微量なので健康に問題がないのだと述べましたが、量の以外にももうひとつ理由があります。

それは消化です。胃に取りこまれたPMは食品と混ぜられて、消化液中にある塩酸や酵素などにより分解されます。

以上の理由により、食品に付着したPMを食べても健康に問題はないのです。

食事
環境基準値を把握しよう