PM2.5・黄砂対策100選

PM2.5と黄砂の基準値
しっかり把握して活かそう

環境基準値を把握しよう

 23: 環境基準値を把握しよう

大気中に漂うPM2.5の濃度が上がると空は霞み、晴れているのにうすらどんよりとした天気になります。そんな日の空気を吸い込めばいかにも問題ありそうな感じがしますが、実際どのレベルの濃度なら健康に影響があるのでしょうか。

これもまた健康被害が起こりうる恐れがある数値(環境基準値)というものがあります。それぞれの数値を把握し、普段の生活の中で各都道府県などから発表される速報や予報を見た時に、すぐに対策が打てるようにしておきましょう。

パソコンで情報を見るカップル

 24: PM2.5の環境基準値

環境省は呼吸器疾患、循環器疾患、肺がんに関する国内外の疫学知見をもとにして、健康の適切な保護を図るために維持されることが望ましい大気中のPM2.5濃度の基準を定めています。
これは平成21年(2009年)に環境基本法第16条第1項に基づいて定められたもので、一年間のPM2.5濃度の平均値が15μg/立方m以下であること。なおかつ一日の平均値が35μg/立方m以下であれば安全としています。

ここで注目したいのが一日の平均値が35μg/立方m以下という数値。意外に思われるかもしれませんが、35μg/立方mという数字はかなり頻繁に叩き出されます。まずは35という数字を覚えておいて、35を超える日はPM2.5対策に取り組みましょう。

35

PM2.5の濃度が環境基準の35μg/立方mを越えたからといって、何かすぐに体調を崩す人は多くありません。それでも塵も積もればの理屈で、なるべくPMを吸いこまずにいられる環境下で過ごすことが肝要です。

 25: PM2.5の注意喚起指針

環境省は平成25年(2013年)に注意喚起のための暫定的な指針というものを制定しています。
これは先述した環境基準を越えた、もしくは遥かに超えたPM2.5濃度数値における基準指針のことです。

指針の内容の中で注目すべきは、一日のPM2.5の平均値が70μg/立方mを越えた場合
この場合、行動の目安として「不要不急の外出や屋外での長時間の運動をできるだけ減らす」とあります。
高齢者や子供、または呼吸器や循環器疾患者は、なおのこと体調に応じて慎重に行動しなければいけません。

70

 26: 黄砂の環境基準値

PM2.5と同じように黄砂にも環境基準値があります。といっても、黄砂単体におけるものを指すわけではありません。
PM2.5が何か特定の物質の名前ではなく粒子の大きさの区分であると述べたように、黄砂もまた粒子径が10μm以下の浮遊粒子状物質SPM・suspended particulate matter)の中のひとつとして区分され、SPMの濃度で環境基準値が定められています。

これは昭和48年(1973年)に告示されたもので、一日のSPM濃度の平均値が0.1mg/立方m以下であり、なおかつ一時間値が0.2mg/立方m以下が基準値です。

年間を通じて見てみればSPMは年々減少しており、昭和49年(1974年)の数値と比べると平成24年(2012年)では8分の1ほどにまで改善しています。
それでもあくまで一年を通した平均であって、黄砂が大量に発生する日にはその数値がぐんと跳ね上がることに変わりはありません。
また、東日本より西日本、特に九州では黄砂の発生源である中国に近いこともあり、高い数値を示す日が多くなります。

0.2

なお、お住まいの地域のPM2.5やSPM濃度は環境省大気汚染物質広域監視システムそらまめ君のサイトで知ることができます。

マスクをしよう